• レイラ

    レイラは口を酸っぱくして、サキュバスではあるけど、自分は純愛で一途で、恋にはとても真面目で——その恋の対象は普通より少し多く、恋の賞味期限も少し短いだけだ、と他の魔物に説明していた。彼女はそう言っているけど、他の魔物、そして勇者たちから見ると、来る者拒まずという言葉はこの歩く十八禁のために存在しているし、あの全種族を虜にする美貌は色んな問題を引き起こしているのだ。しかし、実はレイラの一番の趣味は恋をすることではなく、他者の恋物語を楽しむことだ。あと他の人間もしくは他の魔物をくっつけることも。彼女にとって、遠くからカップルの愛憎劇を楽しむのは一番リラックスできるし楽しい。魔王はそのモテっぷりと人を見る目を買い、彼女に魔王軍の募兵を任した。レイラもその職務を利用して、脳内で魔王軍の高位の者を中心に、魔王軍の全員をあれこれ組み合わせた。

  • リリス

    百年以上生きてきた吸血鬼で、儲け上手でとにかく派手が好き。姿は可憐な少女だけど、本当は謀略に長けている古狸そのもの。魔王の部下になり、魔王城の財務管理を引き受けたのは、お金が増えるのを見るのが好きだから、理解不能なまでに複雑な精算プロセスや厳しい予算で軍部のやつらを震え上がらせるのが好きだから、そして他者に精神的苦痛を与えることが好きだからという。バカが好きで賢いやつは嫌い。時々不謹慎や悪趣味な言動が出るけど、美を追求することや、静かなひと時を楽しむことが趣味なので、ちゃんと少女らしいところもあるらしい。

  • ヒュドラ

    体内に二つの魂が宿っている魔竜。生まれながら違う元素魔法を使い分ける能力を持ち、その強靭な肉体もあって、ヒュドラは瞬く間に竜族の中に頭角を現した。しかし、その外見のせいで、ヒュドラは小さい頃から他の魔物に疎まれ、天邪鬼な一匹狼になってしまった。ヒュドラの二つの頭は考え方も性格もまるで違う。白い頭は基本的に竜族寄りで、魔物のルールを守ろうとするが、黒い頭はいつも暴れたがっている。様々な目的を持って自分に近づく勇者たちのことを、どの頭も「滑稽なおもちゃ」としか考えてないから、あの手この手で彼らを翻弄している。